立ち食いソバ屋のヘンな人

このまえ大井町の立ち食いソバ屋に入ったときのこと。そこは立ち食いと言っても座れる席があって、仕切り板でセパレートされてる。

まず、隣にあんちゃんが座った。そしたら彼、カバンから小さなスプレー缶とウェットティッシュを取り出して、テーブル、壁、仕切り板にスプレーしてティッシュできれいに拭き取る作業を始めた。それ見て、へえ、って思って、彼の番号が呼ばれて立ってトレイを受け取りに行くとき見たら、かなりオタク系のルックスで、でも、ジャケットもズボンも靴も新品っぽく、髪の毛もきれいに刈り込んで、えらく清潔で、やっぱり元々がキレイ好きなんだね。

そうこうしたら、別の背の高いオレと同じぐらいの歳のおっさんが入ってきて、カウンターで食券を渡すときに「ソバ大盛りのネギ抜き、汁抜きでお願いします」と言った。店の人「汁抜き、、、ですか?」と怪訝そうに聞き返すと、おっさん「はい、汁抜きでお願いします。大丈夫ですから」と言った。店の人、奥の調理に、汁抜きで、って言ったら、調理の人、汁抜き? みたいに怪訝。さらに周りの客も聞いてたので「汁抜きのソバっていったいどんなのだ?」みたいに話題にしてる。

で、汁抜きソバができて、トレイを受け取りに立ったおっさんに、店の人「大盛ソバ葱抜きで汁抜きです!」ってトレイを渡し、「おつゆ必要でしたらいつでも言ってくださいね、かけますから」と言った。おっさん「はい、大丈夫ですから」と言って、オレの前のちょっと離れたところに座った。

これはオレが予想した通りだったんだけど、おっさんカバンから小さな水筒を出して、蓋を開けると、黒い液体をソバにかけている。やはり汁持参であったか。

それにしても、そのへんの人々って、かばんの中に、スプレーやウェットティッシュやソバのかけ汁や、実に、いろんなものを忍ばせてるんだなあ。

やはり立ち食いソバ屋の人間観察って、おもしろいなあ、って思った。

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