東京にある絵をいくつか

八重洲のブリジストン美術館にひさびさに行ってみようか。あそこにはセザンヌのサントビクトワール山を描いた風景画が一枚あるが、あれは本当に、すごい絵だ。周りにはコローやマネやモネなどの宝石がたくさんあるが、このセザンヌの画布は宝石中の宝石だ。

それから、ほとんど知られていないが、箱根のポーラ美術館には、ゴッホの小品が一枚ある。あざみの花を描いた最晩年の画布で、実は、この絵は、かなりすごい。あれだけのために行く価値がある(かもしれない)。

あと、バブル期の日本を騒がせたゴッホの向日葵の画布が新宿の損保ビルにある。サザビーズで58億円だかで落札された絵だけど、そういう浮世のごたごたなど噂にも知らぬ、と言いたくなるような、黄金色に塗られた向日葵が、厚いガラスの向こうで、なんとなく悲しげに、でも純粋で素朴な光に輝いているのが、見られる。

ついで。広島へ行ったらひろしま美術館へ行ってゴッホの晩年の作「ドービニーの庭」を見るといい。僕の考えでは、この絵はゴッホのたくさんの傑作の中でも、最高傑作といってよい作品だ。この絵が日本にあるのはうれしい。

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