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臭いから旨い

東南アジアではエビを発酵させた蝦醤(シア・ジャン)が調理によく使われる。国によっていろんな名前になっていてたとえばインドネシアではトラシというそうだ。これは料理に一種の臭いにおいを付けるために使う。臭くないと旨くないからだ。いまではポピュラーになったナンプラーや、この蝦醤や、日本のくさやもそうだが、その臭いのタイプは「肛門臭」に分類されると思われる。料理にこの臭いをつけることは多くの国で見つかるので、まったく世界中だれもかれも肛門の臭いが大好きだ、ということになる。一種の肛門愛の変種なのであろうか。高度に文明化した現代人であっても、肛門臭への偏愛のようなプリミティブな感覚を料理の上にしっかりと残して、それを「うまい」という代替語でおおっぴらに言ってはばからない様子はなかなかに、感動的ではないか。